日本高齢者虐待防止センター電話相談

2010年5月25日火曜日

日本高齢者虐待防止センターニューズレター No.11

夏が来たり、早春に戻ったり、、、地球温暖化のせいでしょうか、世界のあちこちが異常気象のようです。気候不順やこれからやってくる梅雨にめげないよう、体調管理をいたしましょう!



ニューズレターが文字化けすることもありますので、以下と同じものを添付ファイルでもお送りします。


No11の目次は以下のとおりです。

<エッセイ> 渡邊さん、梶川さん
<家庭内虐待事例> 記事 11本
<施設虐待> 記事6本 
<その他> 14本


★★<INPEA(INTERNATIONAL NETWORK for the PREVENTION OF ELDER ABUSE)日本国委員会による第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント &
「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」ワークショップ同時開催のお知らせ!>

      来る6月13日 日曜日1:30~です。
INPEAのサイトに詳細と申込方法が書いてあります。ぜひ、ご覧ください!

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<エッセイ>

「私の心配ごと」渡邊 洋平(団体職員)
「10年目のウォンツリスト」梶川義人(日本高齢者虐待防止センター)


<家庭内虐待>

1)娘に介護の悩み伏せ 岩槻で夫絞殺容疑の妻逮捕   毎日新聞2010年3月27日

2) 介護する実母への傷害致死罪に執行猶予  Asahi/com

3)自殺:入院の母刺され重傷、息子死亡 介護疲れか--東京・羽村の病院
毎日新聞 2010年4月21日 東京夕刊

4) 和歌山で夫婦と祖母死亡…無理心中か
(2010年4月19日16時14分  読 売新聞

5)<夢の跡>番外編 婚期逃す男の介護   中日新聞2010年4月19日

6)探’10:札幌の75歳夫、78歳妻と無理心中 認知症、介護支援の壁に
 ◇独りで担い、行き詰まる?
毎日新聞 2010年5月1日 北海道朝刊

7) 「介護に疲れ母親殺した」 娘自首、殺人容疑で捜査 2010/04/28 14:07   【共同通信】

8) 理心中?:85歳女性、首絞められ死亡 夫「介護疲れた」--相模原 /神奈川
毎日新聞 2010年5月7日 地方版

9)殺人未遂:母親の首絞める 容疑で62歳長男逮捕--上田署 /長野
毎日新聞 2010年5月19日 地方版

10) 老老介護殺人 元中学校長に懲役2年  東京新聞 2010年5月18日

11) 介護施設長、75歳母つねる…日常的に虐待か (2010年5月18日15時53分  読 売新聞)

 
<施設虐待>

1)【栃木】裸など撮影『不適切』 医療法人「北斗会」理事長が謝罪 東京新聞2010年4月20日

2) 虐待?:入所94歳、急性腎不全で死亡 体にすり傷--愛知・一宮の施設
毎日新聞 2010年4月24日 東京夕刊

3)宇都宮・老人施設虐待疑惑:首にオムツ、撮影も 市改善勧告調査内容 /栃木
毎日新聞 2010年5月1日 地方版

4)真岡病院:准看護士、患者の顔携帯で撮影 同僚に見せる 厳重注意し謝罪 /栃木
毎日新聞 2010年5月8日 地方版

5) 病院でも身体拘束禁止を 高齢者虐待、法改正求める2010/05/13 16:45   【共同通信】

6)介護施設で高齢者3%拘束 8千人が“虐待”状態か 共同2010年5月19日 22時57分

<その他>

  1. ○厚生労働省 第3回特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携による
2) )改正介護保険法が成立 特養入所措置 「当分の間延長」
 (2010/04/01) Siver-news.com


3)高齢者虐待防止法、介護者支援重点に見直し検討―山井厚労政務官
2010年4月14日 16時28分


4)今後10年現行のままなら介護保険「維持できない」87% 全市町村 読売調査
5)専門社会福祉士認定制度

6)<セカンドらいふ>認知症支援  地域つなぐ『サポート医』2010年4月21日



7)特集ワイド:孤独な死、あなたなら? 推計年間2万人超、このうち65歳未満3~4割  毎日JP20100419

8)  神奈川:無届け老人ホーム 規制と現実、悩み深く /神奈川 ◇事故防止狙い実態を調査 県が全国最多に 毎日新聞 2010年4月25日 地方版



9)孤独死防止へ住民主体の「見守り」活動広がる、自 治体も後押し/神奈川(かなころ:神奈川コミュニティサイト)

10) 身寄りない認知症高齢者、首長の後見申請急増(2010年5月2日03時14分  読 売新聞)

11) 高齢者にやさしくし隊:登録、半年で467件に上る--大垣市 /岐阜
毎日新聞 2010年5月8日 地方版

12) 市民後見人:育てて 支援・養成、自治体の7% 毎日新聞 2010年5月11日 東京夕刊

13) 【介護保険制度】 ○厚生労働省老健局総務課 介護保険制度に関する国民の皆さまからのご意見募集の結果について(2010.05.15公表)


14)<看取りビジネス>(1) 巧妙、公金から暴利  中日新聞「介護社会」取材班

2010年5月3日


以上の情報は、主に「市民福祉情報」から得ています。


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<エッセイ>1
「私の心配ごと」

渡邊 洋平(団体職員)

この仕事をしていると、時折、信じられないような「ゴミ屋敷」に出会います。
ご本人はにこにこと暮らしているのですが、一体どこで寝ているのだろうと疑問に思うほどのお家なのです。認知症の方で、片づけられなくなってというのならわかるのですが、どうもそうではない様子。


一 方、まったく掃除をしていないようなお家にいくこともあります。いたるところが汚れてはいるのだけども、物がすくなくてとてもすっきりとしたお家も中には あります。こうしたお家はゴミ屋敷にはなりません。どうも、日常の掃除をする能力とそのお家が「ゴミ屋敷」になってしまうという現実との間にはそんなに相 関関係がないようにおもいます。

多くの高齢者の方々は、お家をとてもきれいにしていて、掃除のできない私はいつも感心するのですが、そんな方たちでも応接間を一歩離れると、隣の部屋は物でいっぱい(ゴミ屋敷予備軍です)。何かの拍子に本当にゴミ屋敷にならないか心配になります。


お そらく、掃除をする能力があったとしても、物を捨てられる能力というのが備わっていないとゴミ屋敷になる可能性はとても高いのでは、というのが私の感想で す。そして、認知症になる、ならないにかかわらず掃除をする能力も物を捨てる能力も加齢とともにだんだんと下がってくるようです。いつか捨てるからではお そいのです。でも、物さえ捨てておけば「ゴミ屋敷」にはならないわけです(あたりまえですが)。


さ て、我が家にこのことを当てはめてみると、妻は掃除をする能力に長けていますが、物を捨てる能力はありません。私には掃除をする能力はありませんが、物を 捨てる能力はぴか一です。夫婦二人で一人前なわけですが、上の理論を適用すると、一人暮らしになった時にゴミ屋敷になるのは妻のほうになるわけです。妻の 荷物を眺めるたびに、物を捨てられない人に物を捨てるように勧めることはなんと難しいのかと日々感じております。


「ゴミ屋敷」予防には物を捨てる力を身に つけることと日々妻に言っているのですが、妻は全く意に介さず、さっきも逆に脱いだ靴下は洗濯機に入れるように怒られてしまいました。私の心配はうまく伝 わらないようです。いやはや、いやはや。


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<エッセイ>2

「10年目のウォンツリスト」


梶川義人(日本高齢者虐待防止センター)


  私が高齢者虐待の問題に取組むべく当センターで活動するようになり10年がたつ。あっという間に過ぎた感もあるが、家庭内虐待に関する全国調査、モデル事 業、専門学会の設立、高齢者虐待防止法の施行と法にもとづく対応の展開、施設内虐待に関する全国調査など、案外たくさんのことがあった。介護殺人や施設内 虐待の事例など思い出深い報道も少なくない。他ならぬ当センターも法人化し、今では、法改正に向けた議論がなされている。思えば遠くへ来たものだ。


  しかし、国全体としてみれば、先進的な自治体がようやく取組みのマネジメントサイクルの二巡目にさしかかったに過ぎない。実態調査、体制づくり、防止計画 の立案と実施、その検証など、ひととおりの段階を経てマニュアルを改訂している一握りの自治体がある一方、多くの自治体はその途上にある。従事者による虐 待に関してはさらに進みは遅く、多くは、はじめの一歩すら踏み出してない。つまり、感慨にふけるには時期尚早で、すべきことが山積しているわけである。


 そこで、10年目の私のウォンリスト(欲しいもの一覧)を記しておきたい。
 1つめは、事例の実態と対応の実情に関する情報である。虐待発生のしくみを解明し、成功事例と失敗事例から教訓を得、よりより対応方法を考えたいからである。できれば、全国の事例を集めたデータベースを構築したい。

 2つめは、常勤職員である。いくら大志を抱いても、素人が参考書片手に総務、労務、財務にあたっているようでは、センターの発展はおぼつかない。一人でよいから常勤者がほしい。

 3つめは、自社ビルである。会議も、相談も、研修も、そして事務も、いちいち場所を借りなくても済むようにしたい。

 4つめは、お金である。先立つもとして、今、最も欲しいものかもしれない。そのせいか、事業仕分けのニュースを見聞きするたびに、「そんな巨額を無駄に遣っているなら、こっちにまわしてくださいよ!」と、いつも心のなかで叫んでいる。


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2010年3月25日木曜日

INPEA(日本国委員会による第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント &「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」ワークショップ同時開催のお知らせ!

INPEAの6月恒例のイベントを時開催いたします。合わせて、日本高齢者虐待防止学会会員によるワークショップを開催します。ふるってご参加ください

なお、会場が狭いため、参加者は先着70名とさせていただきます。下記連絡先まで、参加希望者のお名前(と所属のある方はご所属)を電子メールか、ファックスでお知らせください(会場のスペースの都合上、お断りする場合にのみ、お返事をさしあげます。ファックスでお申し込みの方は、ご連絡方法をお教え下さい。なお、こちらからお断りの返事がない限り、ご参加できます)。お申し込み締め切りは、5月31日(月)です。
日 時:

2010年6月13日(日)

13:30~15:00  INPEA第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」イベント

15:15~17:00  「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」のワークショップ
場 所:

東京 秋葉原ダイビル1202号 首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス

東京都千代田区外神田1-18-13

JR「秋葉原駅」徒歩1分、つくばエキスプレス「秋葉原駅」徒歩2分

東京メトロ銀座線「末広町駅」徒歩5分

大きな地図で見るにはこちらをクリック
参加費:

1500円

(要事前登録)
参加資格:

高齢者虐待にご興味のある方ならどなたでもご参加いただけます。お申し込み締め切りは、5月31日(月)です。
INPEA第5回WEAAD記念イベント内容:

◆ご挨拶:多々良紀夫(淑徳大学大学院総合福祉研究科教授) 

◆基調講演(60分間):遠藤英俊(国立長寿医療センタ-包括診療部長) 「高齢者虐待防止と認知症」



◆第5回世界で高齢者虐待防止について考える日(WEAAD)参加者の意見交換
ワークショップ:

◆虐待対応の糸口をつかむタイムシート

土屋典子(立正大学) 副田あけみ(首都大学東京)



タイムシートの説明と活用法のワークです
連絡先:

◆首都大学東京 副田研究室

soe@tmu.ac.jp fax:042-677-2124



◆INPEA日本国委員会 日本大学 塚田研究室

tsukada.noriko@nihon-u.ac.jp fax:03-5275-8386

2010年3月24日水曜日

日本高齢者虐待防止センターニューズレター No.10

東京でも桜の開花宣言がありました! みなさんのところはいかがですか?
通勤や散歩の途中に、水仙、パンジー、椿、こでまりなど、いろいろな花を見ることができると、ちょっと嬉しくなりますね。

No10の目次は以下のとおりです。  (同じものを添付ファイルでお送りしています)
<エッセイ> 飯田さん、坂本さん
<虐待事例> 記事 17本
<施設虐待> 記事3本 
<その他> 7本
New! <調査研究情報> カナダのドクターが開発した「医師用 高齢者のおそれ指標」日本語版 説明文 (表自体は、添付ファイルで送付しています)

★★<INPEA(INTERNATIONAL NETWORK for the PREVENTION OF ELDER ABUSE)日本国委員会による第5回「世界で高齢者虐待防止を考える日(WEAAD)」の記念イベント & 「虐待対応の糸口をつかむタイムシート」ワークショップ同時開催のお知らせ!>
      
添付ファイルで送らせていただきます。
    ⇒ 申込方法も書いてあります。ぜひ、ご参加を!!



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<エッセイ>
(1)「メイクで認知症の方が生き生き!」    飯田佳子(葛飾区職員)
(2)「高齢者虐待」との出会い         坂本陽亮(首都大学東京大学院)


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<虐待事例等>
1)  中川の男女死亡 老々介護の果てに…夫病死、助け呼べず妻も?(2010年1月28日  読売新聞)
2)   介護中の夫刺殺 起訴事実認める 2010年01月28日 asahi.com
3)   函館の息子殺害:うつ病の次男、承諾殺人 情状認め執行猶予--地裁判決 /北海道  毎日新聞 2010年2月11日 地方版
4)   母の成年後見人で2850万円横領 48歳息子に実刑判決(2010年2月10日  読売新聞)
5)   「常識をたたき直す。もっと金を払え」 介護士の男再逮捕 寝たきり男性から現金脅し取る 2010.2.8 13:58  産経ニュース
6)   介護に疲れた」母の首しめる 都立病院職員の長男逮捕 2010.2.20 18:52  産経ニュース
7)   老老介護疲れ心中?高齢夫婦の遺体発見 倉敷 産経ニュース2010.2.18 14:41
8)   【裁判員 岐阜地裁】介護の母を殺害、懲役4年の被告が控訴 産経ニュース2010.2.18
9)   裁判員裁判:介護の母放置死 2被告実刑判決 /兵庫 毎日新聞 2010年2月27日 地方
10)新潟・老夫婦心中?:「介護に疲れた」台所にメモ 近所の人「異変気付かず」 /新潟 毎日新聞 2010年2月26日 
11)89歳男性殺害される/柏崎 2010年03月03日 asahi.com
12) 裁判員が犯行状況を質問…夫殺人未遂裁判2日目(2010年3月3日  読売新聞)
13)寝たきりの79歳妻、夫に首絞められ重体(2010年3月1日09時17分  読売新聞)
14)母の頭を畳に打ち、死なせる 容疑の男逮捕 静岡2010.3.5 21:28  産経ニュース
15)介護疲れで妻の首絞める 78歳夫を殺人未遂容疑で逮捕 兵庫県警 産経ニュース2010.3.16 23:19
16)同意殺人認めず懲役3年  心中目的妻絞殺で判決(2010年3月13日  読 売新聞)
17)増える高齢者虐待 asahi.com2010年03月13日

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<施設虐待等>

1)認知症患者の身体拘束「適法」 最高裁、病院側勝訴が確定2010/01/26 12:22   【共同通信
2)動画サイトに「高齢者虐待」 三重の介護施設、投稿者は不明
2010.3.5 11:54  産経ニュース
3)ゆがんだ理想 たまゆら事件<上> 火災の背景  Tokyo web2010年2月28日

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<その他>
1)    介護支援連携指導料の新設
2)【地域支援事業】
3) 年金口座差し押さえられ、77歳男性孤独死 2010年02月22日 asahi.com
4)「高齢者等居住安定化推進事業」・高齢者の住まいと地域包括ケアの連携推進に係る
説明会の実施について
5)悪質商法、高齢者が標的に…業者にリスト流通(2010年3月15日20時57分  読 売新聞)
6)後たたぬ患者虐待 高齢者虐待防止法の改正を 神戸新聞(2010/03/14 12:04)
7)肋骨17本…院内調査は「病的骨折」 看護師、安心し犯行継続か 産経ニュース
2010.3.12 12:31

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★このニューズレターに掲載している情報の出典:
各種オンラインニュース、市民福祉情報


<エッセイ>

「メイクで認知症の方が生き生き!」

                  飯田佳子(葛飾区職員)

「女は死ぬまでキレイが良い!」と力強く話してくれたのは今まで美容に無関心だった80代の方だ。今ではメイクの日を楽しみにしている。

 メイクボランティア初日は、入居者の方々が興味津々でメイク道具を触ったり、遠からず近からずの距離でウロウロしていたが、いざメイクを始めるとみんな緊張しつつも、目を輝かせる。好きな色やしてみたいメイクなどを尋ねると、恥ずかしそうに「ピンクの口紅がいい」「眉は太めがいい」など話してくれる。

メイクが終わると自分の顔を鏡でずっと眺めて離さない方ばかり。そして見たこともないようなとびっきりの笑顔でガールズトークに花を咲かせる。戦時中、好きだった人に会いに行くためにこっそり紅をさしたこと、キャリアウーマンとして世界中を飛び回っていたこと…など。心の中に秘めていたエピソードが飛び出す。化粧をしていた頃は女として輝き、自信に満ちた頃なのだろう。みんなタイムスリップしたように表情が生き生きとして、目が輝いている。認知症の方々とは思えない雰囲気だ。

この光景に施設の職員方も驚いたようで、寮母長さんからは「こんなに生き生きとしたみんなを見て感激しました。毎日いるのに知らない話も聞けました」と言われて私の方が感激した。

このメイクボランティアを通じて実感したことは、女性はきれいになることで他者と自分の違いを意識し、他者を意識することが認知症の方にとってよい刺激になっているということである。

その証拠にメイクをした後は、帽子をかぶってオシャレを楽しむ方、外に出かけようとする方、手掴みで食事をしなくなる方、みんなと会話をして座っていられるようになる方…など変化が出るのだ。そして一番の変化は全員が笑顔になることだ。花が咲いたようにフロア全体が明るくなり、活気づくのだ。

「女は死ぬまでキレイが良い!」と言った言葉の通り、女性はキレイを楽しむことが一番の認知症予防策になるのかもしれない。

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<エッセイ>
 
「高齢者虐待」との出会い
       
     坂本陽亮(首都大学東京大学院)

 僕は「高齢者虐待」という言葉と2年前に出会いました。その中でも僕は在宅において高齢者が虐待を受けているという事実を初めて知った時、非常に大きな衝撃を受けました。知った当時は、「なんでこんなことが起こるのか」「どうしてこんなひどいことをするのか」と、どちらかと言えば加害者に対して批判的な視点から、そのような疑問を抱いていました。

 僕は、祖父母がその生涯を終えるまで、家族で仲良く(と僕は信じています。)同じ屋根の下で暮らしていました。僕は祖父母が大好きで、いつも一緒にいて、昔の話をたくさん聞かせてもらい、その中でさまざまな苦労話なども聞かせてもらう機会がありました。そのため、僕はなぜ、今まで苦労してきた高齢者を虐待するのか、その加害者となる人々の心理が全く理解できませんでした。

 しかし、今までになされていた研究を見ていくと、高齢者虐待に至る要因にはさまざまなものがあり、その中には必ずしも加害者側にのみ責任を帰することができないのではないかと考えられるものもありました。その代表例として、「介護に対するストレス」があげられると思います。思い返してみれば、僕の家はたまたま近所に親戚も住んでいて、祖父が寝たきりになってしまった時などには、親族が交代しながら介護を行なうことができるような環境にあったために、運良く虐待という事態までに陥ることがなかったのではないかと考えられます。そう考えると、虐待とはどんな家庭でも起こりうる事態ではないのかと思えるようになってきました。

「虐待」とは何なのでしょうか。ただ単に相手が憎くて殴ったり、罵声を浴びせることと、一生懸命介護をし、そのためストレスを抱えてしまい、叩いたり、罵声を浴びせてしまうことを、同じ「虐待」と言う言葉で片付けてしまっていいのでしょうか。当然、高齢者側の視点から考えれば、身体を傷つけられ、また心にも傷を負わされてしまうような行為は虐待と言うように考えることが妥当でしょう。ただ、加害者となっている家族介護者の視点に立った時、虐待か否か、いかなる行為でも一律の判断ができるでしょうか。

 「高齢者虐待」という言葉と出会ってから2年。今僕は高齢者虐待に関する研究を行なっています。しかし、今でも「何が虐待なのか」「どのような解決がなされるべきなのか」常に悩んでいます。いつかこの悩みが解消されることを信じ、今は僕のできることをやっていきたいと考えています。

2010年1月21日木曜日

日本高齢者虐待防止センターニューズレター No.9

みなさん、今年もよろしくお願いいたします!

昨年11月21日、毎日新聞の朝刊一面に、「高齢者虐待12%増」というヘッドラインが載りました。
「H20年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」の発表です(関連情報の3)にUPしています)。

以下と同じものを添付ファイルでもお送りします。ファイルのほうには写真が入っています。


目次
<エッセイ>
1:「養護者支援と平等思想」       浅井 正行(防止センター相談員)
2:「パナマの旅」            松丸真知子(防止センター事務局次長) 


<新聞記事>
1)尾花沢の殺人:母殺害で長男に懲役5年を求刑 /山形
2)介護疲れの無理心中か…東京・稲城の集合住宅
3)ここがポイント 介護担う家族のケア
4)ひたちなかの老妻絞殺:「相談すべきだった」 5分間、異例の説諭--判決 /茨城
 ◇家族「温かく迎えたい」
5)繰り返された嘱託殺人の悲劇、問われる地域の力
6)高齢者への虐待 心理・経済面も
7)佐賀県「高齢者虐待しそうになった」自宅介護の4人に1人
8)介護殺人、心中400件 制度10年、やまぬ悲劇 
9)<埋もれる孤独>上 負担重すぎ施設断念
10)<介護殺人・心中>認知症の対応に苦慮(中日新聞)
11)高齢者見守りサービス:新聞受け3日分で連絡 世田谷区と販売組合が協定 /東京
12)[社説]高齢者虐待 必要な介護者支援の視点(山陽新聞)
13) 老人ホーム入居、4割が経済的に困難 26年後、「施設必要」136万人増…政投銀試算
14) 殺人:66歳介護に疲れ、母親殺害の疑い 警視庁が逮捕
15)【ゆうゆうLife】地域包括支援センターを知っていますか?(上)
産経ニュース 2009.5.18 08:14

<関連情報> 
1) 業界ニュース : ケアマネの適正給与で三者三様の回答――在宅協セミナー
2)隣家の介護殺人に気づかず   ケアマネジャーとしての“悔悟”
3) 厚生労働省老健局高齢者支援課 2009(平成20)年度高齢者虐待の防止、
高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果
4) 埼玉県 高齢者虐待 増加の一途  6年前の10倍…「氷山の一角」
08年度674件 介護疲れなども背景  防止法施行で相談増
5】北海道 高齢者虐待が年々増加 道報告 2009年12月10日
7)神奈川 民生委員不足
8) うつ状態の家族介護者は死亡リスクが6.9倍――日本福祉大学調査
CARE MANAGEMENT  ONLINE

以上の出典:メイル・ミニコミ「市民福祉情報」、介護の学校WEB 等

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<エッセイ1>
「養護者支援と平等思想」
               浅井 正行

 高齢者虐待防止法は、福祉法的な性格を持った法律だ。この法律の優れたところは、養護者支援をその中に盛り込んだことだろう。虐待者を悪人・犯罪人扱いし、懲罰を与えるのではなく、虐待を引き起こす要因への働きかけを念頭に、虐待者が虐待行為をしないで済むように支援していこうというものである。虐待を家族全体の問題として捉え、バーンアウト寸前の家族介護者へ支援を実施し、身体的負担・精神的負担の軽減を図ることで高齢者を守っていくということが、この防止法の大きな目的なのだ。そして、それが他国に誇れるところでもある。

 話がいきなり飛躍して恐縮なのだが、私は虐待防止センターの専門電話相談員、大学教員の傍ら、僧侶として修業をしている。一昨年の8月には、身延山に35日間籠もり、5キロ以上痩せてしまうほどの修行も行ってきた。そうした私のバックグラウンドが影響しているのだろうか。今、仏教の根本の教えである平等思想の重要性を再認識しているところだ。平等思想はまた、仏教でいうこところの慈悲心が出発点となっている。

平たく言えば、相手の身になって、「痛み」の分かる人間になるということである。こうした平等思想・慈悲心の観点から言えば、高齢者虐待においては、「被虐待者」「虐待者」双方の同時救済(援助)が最大の目的となる。被虐待者の苦悩を理解した上で、適切な支援を行うと共に、虐待者へは罪の自覚を促しつつ、介護ストレス等に配慮した援助を提供することが大切なのである。

 「高齢者がすべて善で、虐待者がすべて悪」と単純化することなく、双方へのいたわりの心を抱きつつ、「全員救済」の気持ちで、高齢者虐待防止に取り組むことが重要である。そう考える今日この頃である。

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<エッセイ2> 
 「パナマの旅 」   
 松丸真知子 
         
パナマというと、私は小学校の社会の教科書で見たパナマ運河が何故か強く印象に残っていて、まさか本物を見ることができるとは夢にも思っていませんでしたが、昨年6月にパナマの友人に会いに行き、まさかが現実になりました。

パナマという国は日本では運河以外あまり知られていません。人口わずか350万人の小国家ですが、地理的重要性から中南米における貿易、人の移動、国際政治に大きな役割を果たしてきているそうです。最近はパナマ運河の拡張に伴い、飛行場も拡大整備もされ、建設ブームとクルーズ人気による観光産業の拡大が中南米一の経済成長を引っ張ってきている国だそうです。

街は建築工事現場だらけ、夕方になると車のラッシュはどこの国でも同じですが、さっきまで両方向だった大きな道路が突然警官の誘導で一方通行に早変わりし、たくさんの警察官が交通整理に出て車の往来を巧みに?さばいていたのには驚きました。

 2泊3日の旅でしたが、友人のエルサが観光案内をしてくれて、後は所謂ガールズトークといった話に花を咲かせていましたが、お姑さんの介護の話題になり、パナマの高齢者ケアの話は興味深かったのでご紹介しようと思います。

 エルサのご主人は60歳前後で、お母様はご主人のお姉さまと近所に暮らしています。80代で、認知症もあり、ほぼ全介助が必要な方ですが、日中は同居の娘さんが介護をしています。エルサのご主人は毎日朝、5時に母親の家に行き、8時までに朝食まで終わらせて、仕事に行きます。仕事の後も夜の部があり、母親の就寝までして帰宅するといった生活がもう何年も続いているとのことでした。
 
私はその話を聞いて、「重い介護負担からの虐待…」と、つい思ってしまい、「施設に入ることは考えないの?」と聞くと、パナマでは家族がいるのに施設に入ったら、家族間で何か問題があるのではないかと思われるからそれはできないのだそうです。
私は介護の話を深刻にとらえて聞いていたのですが、エルサの表情はあくまで明るく、「夫は母親のもとへ毎日行って、世話をしたり話をしたりするのを喜んでしているし、夜帰ってきて今日はどうだったかユーモアも交えて色々話してくれる。」というのです。

そして12月にエルサと電話で話した時、「お姑さんは11月に亡くなり、ご主人は深い悲しみの中にいたけれど立ち直りつつある。」と言っていました。「お母様は最後まで幸せで天に召されたと確信しているわ。」と私は言いました。
私は夫の仕事の関係でラテンアメリカの国の人達と会う機会が多くあり、その明るさと心の暖かさにたくさんエネルギーをもらっていましたし、彼らは家族の繋がりが濃く、家族を誇りに思っていることは知っていましたが、最後の看取りまで明るく暖かい彼らに驚きました。

東洋では儒教の影響で親を大切にするといった文化があることは言われますが、地球の反対側でも家族を大切にする文化があることに、まだまだ人間は捨てたものではないと安心します。
あくまでも、私の知り得た事例だけですが・・・・

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